競争社会を勝ち抜いて、他の誰よりも偉くなる。俺はビジネスで自己実現を成し遂げるんだ!
そう思い、ガムシャラに頑張って実績を上げてきた。
全ては順調に進んでいるはずだったのに、気がつけば状況が変わっている。
- お客様が求めているもの、判断・選択の基準が変わっている。
- 優秀なプレイヤーだった自負はある。でもマネージャーになったら勝手が違ってやりづらい。
- 頼りにならない上司、使えない部下にあたってしまい、何ともやりきれない。
- やらなきゃいけないことや、処理しなければいけない情報が多すぎる。
- 会社の規模、マネジメントの範囲が大きくなるとするべきことが変わってくる。
働くステージが変われば、自分自身も変わらなければならない。それは自分でも分かっている。でもなかなかうまくは変われない。
そんな感じの人も多いでしょう。
いまは、変化が早くて激しい時代、不確実性の高い時代、価値観やライフスタイルが多様化した時代と言われます。こうした時代に活躍するのは、変化に適応できる人、柔軟な人、最近流行りの言葉で言えばレジリエンスな人なのでしょう。
誰もが生まれてからこれまでの人生の中で、知らず知らずのうちに身に付けた考え方や行動、在り方の特性があります。
それらには本来、良いも悪いもありません。
ただ、自分が望むことを成し遂げるうえで、それらをそのままにするのか、変えるように取り組むのかはその人次第です。
今回は、自分自身を変えていく上で役に立つといわれるコーチングとはどのようなものかを紹介します。きっとあなたが心から望む未来を実現するために役に立つでしょう。
1.コーチングとは、何か?
「コーチングとは?」と聞かれて何を思い浮かべますか?
スポーツのコーチを思い浮かべる方は多いですよね。選手に技術を教え、練習メニューを与え、指導する人、それがコーチだろうと。
この記事で紹介するコーチングとは、それとは違う職業です。この記事で紹介するコーチングは、スポーツ分野に限ったことではなく、クライアントが自分の力で成長していくことを促すような関わり方です。
コーチング業界では、コーチングを受ける人をクライアント、コーチングをする人をコーチと呼びます。
コーチがクライアントにすることは、指導したり、何かを教えたりするというよりも、クライアントが自分から答えを見つけたり、気づき・学びを得て行動したりするように関わることが多いです。そうしたコーチの関わりがあることで、クライアントは自らの力で成果を得ていきます。
その重要性は、欧米の経営者の多くがコーチをつけていることからもわかります。ゼネラル・エレクトリックのジャック・ウェルチ氏、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏、グーグルのエリック・シュミット氏など著名な経営者もコーチングを受けていました。
日本でもビジネス分野を中心にコーチングを受ける人が増え始め、1990年代後半からそうしたニーズに応えるためにプロ・コーチを養成する期間が設立されました。
こうして広まっているコーチングですが、もともとの語源は馬車を意味する「coach」だそうです。人が移動するための手段であり、それが転じて人が望むことを実現するための関わり方をコーチングと呼ぶようになったようです。
国際コーチ連盟という世界最大級のコーチングの職能団体があり、その国際コーチ連盟が倫理規定でコーチングを定義しています。それによると、「コーチングとは、思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くことである」とされています。
コーチングを受けると思考が刺激される、コーチングではクライアントの公私における可能性を最大化させるようにしていく、クライアントとコーチはパートナー関係を築いていく、ということですね。
あなたが心から望む未来を実現するために、あなたの思考を刺激し、公私において可能性を最大化させるような関わりを受けるのがコーチングです。
2.コーチングとは、どんな役に立つの?
人は誰しも自分の思考や行動、在り方の特性を持っています。一人で考え、判断しているだけでは気づかないうちに自分が設定した枠の中に納まっていることが多いです。本当はその枠を超えて、いろいろなことができるのに。
これってものすごくもったいないと思いませんか?
コーチはクライアントであるあなたのために、安心安全で勇気づけられる場を創ってくれます。そうした場で、あなたが心から望むことが何かに聞き耳を立て、あなたが思う以上にあなたの可能性を信じで関わります。そうしたコーチの関わりが、あなたの視野や思考の幅を広げ、一人では納まってしまう枠を超えた行動を引き出してくれます。
コーチングでは、現状と目標の乖離を埋める方法論を考えたり、To Doリストを作ったりするだけにはとどまりません。
例えば、ビジネスの分野ではこうしたテーマでコーチングを受けたいと思う人がいます。
- 今の業績には満足できない。売り上げや利益を伸ばしたい。
- お客様との関係をより良いものにしたい。
- 上司や部下が考えをわかってくれない。上司部下とのコミュニケーションを高めたい。
- 部下のやる気が感じられない。やる気を引き出したい。
- 自分でやった方が早くていいものができるので、ついつい自分でやってしまう。なんとか自分のマネジメントスタイルを変えたい。
- 今の状況では自分の能力を活かしきれていない。キャリアアップや転職をしたい。
あるいは、私生活においてこんな状況に置かれている人がいるかもしれません。
- 家庭や子供の教育に関して夫婦間で意見が合わない。
- 子供の大事な時期に一緒にいる時間が取れていない。
- 住宅ローンの負担が重い。
こうしたときに、コーチングではあなたとコーチが対話を通じて、あなたが持っている価値観、あなたの個性、あるいは固定概念などを明らかにし、それらを踏まえた上でどうするかを見つけていきます。
そうした過程を経てやると決めたことは、勇気が求められる挑戦、一人で考えているだけでは躊躇してしまうようなことかもしれません。でも、あなたはそれに対して自発的なやる気を持っているはずです。やらされることではなく、やりたいことになっています。
実際にやってみると必ずしも上手くいくわけではなく、失敗することも多々あります。結局やらないこともあります。それでも、そこから何かしらの気づき、学びが得ていけば、それがその後のあなたに役に立つものになります。
こうしたコーチとの対話とあなた自身の行動を通じて、気づき、学びを得て、あなたは心から望む未来を実現するために成長していきます。コーチングは目の前の目標達成や課題解決にとどまらず、あなたが自己実現に向けて進んでいくことを支援します。
3.コーチングとは、どんなことをするの?
コーチングでは、クライアントとコーチの対話を中心に進むことが多いです。
その対話の中で、クライアントがコーチングのテーマについて話し、コーチが傾聴します。ときにコーチは質問をしたり、クライアントの様子を反映して伝えたり、クライアントの人となりを認知したりします。ときには身体感覚にも意識を向けて、クライアントが様々な感覚を用いて自分自身の状態を自覚するように促すこともあります。
プロフェッショナルなコーチとのこうしたやり取りが繰り返されることで、クライアントは気づき、学びを得て、自分の中の答えを見つけ、勇気づけられ、そして行動に移します。そして、これを繰り返すことであなたは身の回りや自分の内面に変化を起こし、自己実現や自分が心から望む未来の実現に向かって進んでいきます。
4.コーチングとは、他の方法とどう違うの?
コーチングは、よくカウンセリングやコンサルティングとどう違うのかを聞かれることがあります。
実際のところは、明確にこう違う!とは言いづらいところがあります。
と言うのも、コーチングが日本で広まり始めてから10年以上が経ち、いろいろな人が応用し、他の手法と併用して活用しています。その結果、 黒と白というふうに分かりやすく切り分けられないところがあります。
でも、そこで話を終わらせるのと物足りないでしょうから、違いを強調して言うと以下のような感じです。
以下、カウンセリング、コンサルティング、コーチングの違いについてわかりやすいように抽象化して述べますが、これらは優劣や良し悪しがあるというものではありません。クライアントが置かれている状況において適したものを選択すればいいのです。
カウンセリングとコーチング
カウンセリングもコーチングもクライアントの話をよく聴くこと、つまりは傾聴を重視している点は同じです。 違う点としては、次のようなものです。
- カウンセリングではクライアントの心理的な状態を整えることに重点が置かれます。コーチングでは変化を創るためにクライアントが行動を起こしていくことを求めます。そのため、コーチングの方がクライアントの心身にかかる負荷は高くなります。
- カウンセリングでは心理的な治療の側面があります。コーチングでは治療行為は行いません。
- カウンセリングは過去や現在、問題解決に重点が置かれます。コーチングでは、現在や未来、目標達成や自己実現に重点が置かれます。
コンサルティングとコーチング
コンサルティングもコーチングも傾聴を重視し、何かしらの成果を得るためにサービスを求められるという点は同じです。 違う点としては、次のようなものです。
- コンサルティングでは分析、助言・提案、情報提供、実行支援などが中心です。クライアントへ答えを与えたり、クライアントの代わりに行動したりすることもあります。コーチングでは、答えはクライアントのなかにあるものであり、行動するのもクライアント自身になります。
- コンサルティングでは成果を明確に合意してから始めます。コーチングでは始める前に成果を明確にすることはできません。なぜなら成果はクライアントの行動次第だからです。
- コンサルティングは目標達成や課題解決のために行われます。コーチングはそれらにとどまらず、自己実現や心から望む未来の実現に向けて行われます。
5.コーチングを受けてみたいけど、どうすればいいの?
コーチングを受けたい場合、自分に合ったコーチを探すところから始まります。
「コーチング」に自分の動機に合わせたキーワードを組み合わせてインターネットを検索すれば、たくさんのコーチを見つけることができます。または、コーチを養成している機関がWebサイト上でプロ・コーチとして認定した人を紹介していることが多いので、そこから選ぶのもいいでしょう。
例えば、日本国内には国際コーチ連盟から一定基準を満たしていると認定されたコーチのトレーニング・プログラムACTP(Accredited Coach Training Program)が4つありますが、それぞれのWebサイトでトレーニングを修了したプロ・コーチを紹介している場合もあります。
Coachacademia™(株式会社コーチ・エィ)
国際コーチ連盟から2000年に日本で最初にACTPの認定を受けたトレーニング・プログラムを提供しています。このプログラムを修了したコーチは、一般財団法人生涯学習開発財団認定コーチ、あるいは国際コーチ連盟認定資格であるPCC、MCCといった資格を取得している場合が多いようです。Webサイト上でプロ・コーチの紹介はしていないようなので、「生涯学習開発財団認定コーチ」、「PCC」、「MCC」といったキーワードでインターネットを検索するといいでしょう。法人向けサービスを受ける場合は、運営母体である株式会社コーチ・エィ(http://www.coacha.com/)に問い合わせるのもいいでしょう。
CTIジャパン(株式会社ウエイクアップ)
http://www.thecoaches.co.jp/cgi-bin/coach_profile/coach_profile_index.cgi
国際コーチ連盟(ICF)によって世界で初めてACTP認定されたトレーニング・プログラムを日本で提供し、コーアクティブ・コーチング®を習得したプロ・コーチを育成しています。上記のリンク先では、米国CTI認定プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチCPCC(Certified Professional Co-Active Coach)の認定を受けたプロ・コーチを紹介しています。
CRRジャパン(株式会社ウエイクアップ)
http://www.crrjapan.co.jp/ORSCClist.pdf
1対n(複数)の関係、つまり2人以上のパートナーシップやチームをクライアントとするシステム・コーチング®を習得するトレーニング・プログラムを提供しています。上記リンク先ではORSCC(Organization & Relationship Systems Certified Coach)資格取得者を紹介しています。
株式会社コーチ・アイエヌジー
ホールシステムコーチング®を習得するプログラムを提供しています。このプログラムを修了したコーチは、ホールシステムコーチング®認定コーチ、あるいは国際コーチ連盟認定資格であるPCC、MCCといった資格を取得している場合が多いようです。Webサイト上でプロ・コーチの紹介はしていないようなので、「ホールシステムコーチング認定コーチ」「PCC」、「MCC」といったキーワードでインターネットを検索するといいでしょう。または、株式会社コーチ・アイエヌジー(http://www.coach-ing.com/)に直接問い合わせてみるのもいいでしょう。
その他にもたくさんのコーチがいます
ここまでは国際コーチ連盟からACTPの認定を受けたトレーニング・プログラムを修了したプロ・コーチを探すための方法を紹介しました。
一方で、国際コーチ連盟からACTP認定を受けていなくても、コーチングスキルが習得できるプログラムは数多くありますし、そうしたプログラムを修了した優秀なプロ・コーチは数多くいます。
上記リンク先に限らず、プロ・コーチ紹介サイトで調べてみたり、キーワード検索で探してみたりするといいでしょう。あるいは周囲でコーチングを受けたことがある人を探し、コーチを紹介してもらうという方法もあります。
多くのプロ・コーチは、正式にコーチングを申し込みを受ける前に、コーチングを体験する機会を提供しています。しかも無料の場合もあります。この人からコーチングを受けてみたい!と思うコーチ数名に連絡し、その人のコーチングを体験してコーチを選ぶといいでしょう。
まとめ
コーチングとは、目標達成や課題解決にとどまらず、あなたが自己実現に向けて進んでいくことを目指すために受けるものです。
その重要性は、著名な経営者がコーチングを受けていたことからもわかります。
クライアントとコーチの間で交わされる対話を通じて、クライアントは気づき、学びを得ます。自分の中の答えを見つけます。そして、勇気づけられ、行動に移します。これを繰り返すことで、あなたは身の回りや自分の内面に変化を起こし、自己実現や自分が心から望む未来の実現に向かって進んでいきます。
コーチングを受けたい場合は、コーチ紹介サイトやコーチ養成機関のWebサイト、キーワード検索で探したり、コーチングを受けたことがある人に紹介してもらったりするといいでしょう。
コーチングを受けて、公私における可能性を最大化させ、心から望む未来の実現していきましょう!
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