最近ではコーチングと言う言葉がよく聞かれるようになってきました。しかし、未だにコーチングとはスポーツ選手のコーチという指導者というイメージの方が先行しています。
本来のコーチングの語源とは、「COACH」から来ています。「COACH」とは大型の4輪馬車を指す英語です。つまり、コーチングには大型の4輪馬車のように大切な人を今いる場所から、目的地まで安全に送り届けるという意味があります。要はクライアントの目標の達成をサポートする支援者という意味です。
今回の記事ではコーチングについての正しい知識をつけていただき、実際にコーチを選ぶときの参考にしてもらえればと思います。
Ⅰ.コーチングとは何か?
この章ではコーチングについて深く理解してもらうことに焦点をあてて書いていきます。
コーチングという言葉を聞いたことはあるけれども、何をするのか分からないという方達が多いのも事実です。また、聞きかじった一方的な知識ひとつでコーチングという手法を勘違いされている方も数多くいます。
この章ではコーチングに対しての誤解を解き、コーチングが主にどのような手法で、クライアントにどのような変化を起こすことが出来るのか?ということを書かせていただきます。
また、コーチングについての詳しい情報なども併せてこちらで紹介させていただきます。
1.コーチングと似ているようで違う手法
まずは、コーチングとよく誤解されてしまう手法とコーチングの違いについて具体的に紹介していきます。コーチングに出来て、その他の手法に出来ない事。その他の手法に出来て、コーチングに出来ない事をそれぞれ理解することで、コーチングという手法を俯瞰して理解することが出来てきます。
1-1.コーチングとティーチングの違い
ティーチングとは知識やスキルを教えていく作業です。コーチングではクライアントが知らない情報を教えていくことはしません。知らない情報を学ぶ意欲を高めたり、自主性を刺激することで、結果的に知識を吸収する速度が上がっていくことはあります。
①コーチングと比較したティーチングのメリット
知識が0の状態の相手に対して、知識を伝えていくことで、相手のスキルをアップしていく。画一的なやり方を確立することで多くの人に同様に知識を伝えることが出来る。
②コーチングと比較したティーチングのデメリット
相手のやる気に左右される。やる気がない相手にティーチングをしてもスキルは伸びない。モチベーションの低下につながる。
③ティーチングと比較したコーチングのメリット
対等で双方向なパートナーシップを築くことで、その人にあったコーチング方法を行うことが出来る。結果として、やる気や能力、自主性やイノベーション的なアイディアが本人から生まれてくる。
④ティーチングと比較したコーチングのデメリット
コーチングでは知識として0の人に対して知識やノウハウ、スキルを与えていくことは出来ない。
1-2.コーチングとコンサルティングの違い
コンサルティングとはコンサルタントが専門家として分析、検証したデータからプランを構築しそのプランのもとに業務を遂行していく作業となります。基本的にコンサルタントの指示の元プロジェクトを進めていくことが必要とされます。
①コーチングと比較したコンサルティングのメリット
コンサルティングでは膨大なデータや経験則をもとにコンサルタントが解決策を提示。プロの解決策に従うことで自信を持って実動に力を注ぐことが出来る。
②コーチングと比較したコンサルティングのデメリット
コンサルタントの力量によって大きく結果が左右されてしまう。
③コンサルティングと比較したコーチングのメリット
コーチはクライアントの膨大な潜在意識からクライアントが解決策を導いてこれるように支援していく。その上でクライアントがコーチングを通してより本質的に成長していくことが期待できる。
④コンサルティングと比較したコーチングのデメリット
コーチはその分野の専門的知識をクライアントよりも持っていないことが前提。よって、クライアントに対して解決策を提示することは出来ない。クライアントが解決策を求めてきても対応することはしていない。
1-3.コーチングとカウンセリングの違い
最もよく間違われるカウンセリングとの違いについてこの項目ではお伝えしていきます。カウンセリングとは意識を-から0に持っていくことがメインであり、コーチングとは意識を0or+からより大きく広げていく手法です。
①コーチングと比較したカウンセリングのメリット
カウンセリングではクライアントを受容し続けることが求められる。カウンセラーはクライアントを受け止め続けることでクライアントの傷を癒していき、心理的な負荷を軽減していくことが出来る。
②コーチングと比較したカウンセリングのデメリット
カウンセリングはあくまで受け身の立場であり、コーチングのようにクライアントに気付きをもたらしていくものではない。クライアントの意欲に火をつけることは出来ない。
③カウンセリングと比較したコーチングのメリット
コーチングはクライアントの潜在意識からクライアント本人も自覚できない目標や行動をともに見出していくことが出来る。自らの力で道を切り開いていくことで、自分自身の成長につながる。
④カウンセリングと比較したコーチングのデメリット
精神疾患や心の病気にかかっている人に対してはカウンセリングの領域でありコーチングを行う事は出来ない。これらの疾患を持つ人がコーチングを受けた場合には、コーチが責任を持ってカウンセラーを紹介していく事が一般的。
Ⅰ.まとめ
コーチングとはクライアントの感じている世界をともに旅することで、クライアント自身の中から最適解を見出していく作業です。イメージの世界に深く入ることでクライアントはひとりだけでは到底解決できなかったような難問でも解決策の糸口を見つけていくことが出来るようになっていきます。
Ⅱ.コーチングで出来る事、出来ない事
この章ではコーチングで出来る事と、出来ない事を具体的に紹介させていただきたいと思います。コーチングとは臨んだものごとを全て手に入れることが出来るような万能の手法ではありません。コーチングで出来る事、出来ない事を明確にすることで、コーチングとはどのような人にとって親和性が高いのかをお伝えさせていただきます。
1.コーチングで出来る事
コーチングで出来る事はさまざまありますが、その中でも代表的な例をいくつか紹介させていただきます。
①自分らしい生き方の発見
自分らしい生き方ってなんだろうと思われる方はあなただけではありません。おそらく、多くの人が「自分らしい生き方」を分からずに日々を過ごしているはずです。コーチングではあなたが本当に心から達成したい「人生の目的」という軸を作って行きます。人生の目的を作ることで心の底から情熱が湧く自分らしい生き方の発見が出来てきます。
この人生の目的に従って生きる時、人は最高のポテンシャルを発揮して行きます。自分が好きで好きでたまらないことは何か?を深層心理に入り込むことで解き明かしていきます。
あなたの深層心理にはしっかりとその理由が眠っているのです。その理由をひも解くことで自らの使命ともいえる人生の目的を見出していくことが出来て行きます。人生の目的を見出していく作業はコーチングの醍醐味のひとつだといっても過言ではありません。
人生の目的に沿って生きることは、必然的に自分らしい生き方を歩み続けていくことになります。
②自分の価値観に沿った行動の選択
僕達日本人の多くは自分自身の価値観を押し殺して生きてしまっています。それは、画一的な社会を望む僕達日本人にとって都合のいいことなのかも知れません。周囲の人からどう見られるか?を意識するあまり、多くの人は自分らしさを表現するすべを持ちません。結果的に周囲に合わせるために自分自身の価値観を無意識的に押し殺してしまっています。
コーチングでは潜在意識にアクセスすることで、自らが押し殺してしまっていた価値観に気が付くことが出来ます。そして、コーチングを通して、自分自身がどういう自分でありたいか?を明確にしていきます。自分自身の価値観に沿った行動を選択していくことこそが、人が人らしく幸せに生きる道だということに気が付くことが出来ていきます。
コーチングを受ける事で、自らの価値観に沿った行動を選択し、チャレンジ精神に満ちた充実した人生を切り開いていくきっかけとなっていくことが出来ます。
③自らの行動を制限してしまう恐怖からの解放
自らの行動を制限してしまう心の中から自然発生的に表出する恐怖の声や感情をコーチングではサボタージュと呼んでいます。このサボタージュがあると人は新たなチャレンジをしようと決意をしても恐怖に絡め取られ身動きすることが出来なくなってしまいます。
コーチングではこのサボタージュを潜在意識から追い払うことで、こう着していた行動を一歩一歩前進させていくことが出来るようになってきます。はじめは小さな一歩だったとしても、結果として動き始めないころと比べて雲泥の差が生じてきます。
はじめの一歩を踏み出すことで恐怖を乗り越えることが出来れば、自信につながり自分自身の枠を着実に広げていくことが出来るようになってくるのです。だからこそ、日々成長していくことを実感できるのです。
④行き詰った状況を客観的に多角的に捉える
あなたは何をやっても解決できないという問題に直面したことはありませんか?
このような問題に直面した時、人の脳は考えることをやめてフリーズしてしまう性質を持っています。コーチングはこのような時にも効果を発揮します。自分一人では四方八方塞がってしまった状況に見える時でも、コーチングを受けることで別の別の選択肢を客観的な視点に立って見出すことが出来るようになっていきます。
今ある選択肢以外でも様々な選択肢が自分自身にはあるのだという気づきとともに、その中から今の自分にとって最適な選択は何かということも考えていく事が出来ます。コーチングを受ける事で自分には無限の可能性と選択肢があることが理解出来るため自身に繋がっていくのです。
⑤無意識に抑え込んでいる感情の蓋を開ける
コーチングでは喜怒哀楽すべての感情表現を大切に扱って行きます。世間一般ではネガティブにも受け止められる怒りの感情や、哀しみの感情は出す機会が限定されてしまいます。人は感情をあらわにすることで心にたまった鬱積を排出することが出来るのですが、これらの感情を抑え込んでしまうと抑えることに精神的負荷がかかってしまいストレスへと発展してしまうのです。
コーチングとは面白いもので、鬱積した感情を自分自身で感じいってもらうのです。これらの感情を十分に感じることで、これらの感情を押さえつけていた力が必要なくなっていくのです。そうすることで、精神的負荷が減りストレスが小さくなって行きます。
人はストレスがあると、ストレスに阻害され自らのポテンシャルを最大化することが出来ません。コーチングでは自らの首を絞めているストレスを昇華させ、その上でクライアントの可能性を引き出していきます。
2.コーチングで出来ない事
こちらの項目ではコーチングでは出来ないことの代表的な例を5つ挙げさせていただきます。
①知識を知らない人に教えることは出来ない
コーチングとはクライアントの潜在意識の中をコーチとクライアントがともに旅をしていくものです。そうする事でクライアントにとっての最適解を見出していきます。その最適解に沿った要望や挑戦をコーチが投げかけることで、クライアントが一歩一歩着実に歩んでいけるプランをともに作り上げていきます。
このようにクライアントが知識を持っていない事に関して、やる気をもたらすことはコーチングでは出来ますが、クライアントに知識を教えていくという事は出来ません。
例えば、車の免許を取りたいというクライアントに対しい、車を乗れるようになったらどんなことが待っているか?など、クライアントにとって免許を取る意欲を高めることは出来ても、車の運転自体を教えることは出来ません。
②精神疾患や心の病気には対応出来ない
コーチングとは心の病気を扱うものではありません。
コーチングはクライアントを0の状況からであればいくらでも引き上げていくことが出来ます。しかし、クライアントの精神状況が-の状況から0にしていくには分野が違います。特に心の病気の場合は分野ごとに専門のカウンセラーに見てもらう必要があります。
③やりたくない事を無理にやらすことは出来ない
あくまでコーチングとはクライアントのためのものであってクライアントを自分が意図した方向に変えていくためのものではありません。
最近では企業コーチとして上司が部下に対してコーチングを行って行くことも増えて来ていますが、上司と部下の関係性ではコーチングはまったくといっていいほど機能しません。理由として、上司が部下に対してこうあってほしいという思いを持っているという事と、部下としては上司の期待に応えなくてはいけないという思いが出て来てしまうからです。
コーチングとはクライアントのテーマを扱うものです。クライアントを自分の思い通りに仕上げていくことや、クライアントがコーチに対して気をつかってしまうような関係性ではまったくといっていいほどコーチングは機能しません。
④受け身ではなにも変わらない
「コーチングを受ければすべて変えてもらえるんでしょ」という人がコーチングを受けたとしても、このような人の姿勢を変えていくことはコーチングでは出来ません。あくまでもコーチングは能動的に自分自身をよりよく変えていきたいという人に対して後押ししていくための方法です。
クライアントが自らを変える気がないにもかかわらず、コーチングを受ければまるで魔法にかかったかのように自分自身の願いがすべて叶っていくといった類のものではありません。クライアントが受け身ではコーチングから得られるものは何ひとつありません。
⑤相手を変えることは出来ない
コーチングを受けることによって、クライアントの価値観や認識に変化が起こっていくことは頻繁にあります。
しかし、クライアントの職場の上司や関係性がよくない人を変えていくことは当然ですが出来ません。
クライアントの認識を変えることで、結果的にこのような人たちとの関係性が良くなることはありますが、この人たちの人間性を変えていくことは出来ません。
Ⅱ.まとめ
コーチングで出来る事、出来ない事が明確になったことでコーチングはどのような時に必要となっていく方法かをご理解いただけたのではないでしょうか?
コーチングを受けることでクライアントはまるでダイアの原石からダイアモンドに磨きをかけられていくように能力や魅力を研ぎ澄ませていくことが出来ます。このように自分自身を磨き上げていきたいという人にはコーチングはとても効果的な方法であると言えます。
Ⅲ.コーチングの心構え
この章ではコーチがコーチングを行う時にどのような心構えをもって行っているのかを具体的にあげさせていただきます。コーチの関わり方を知ることで、あなたがコーチングを受ける時によりコーチと深い関係性を築くことが出来るお役にたつことでしょう。
コーチとクライアントの関係性が深くなるほどコーチングの効果は高まりますので、もしこれからあなたがコーチングを受けようと考えているのであればご一読下さい。
1.コーチングで聞くのは相手の話の事柄ではない
コーチは事柄ではなく、事柄の背後にあるクライアントの感情や気持ちといったクライアントのあり方を重視していきます。
その理由は、クライアントの感情や気持ちに意識を向けることで、クライアントの信念や価値観が明確になってくるからです。
クライアントが「どうしてこうなった」とか、「なぜうまくいかないんだ」とコーチングのテーマにしたとしても、「こうなった理由はなんだろう?」とか、「どういうプランを立てればうまく行くんだろう?」といった事柄を聞いても意味をなしません。なぜなら、事柄はクライアント本人がコーチングのテーマに出す前に何度も考えていることだからです。
あり方を聞いていくとは、「今どんな感情なんですか?」とか、「なんだか息苦しそうに感じられますが、今〇〇さんの心の中でなにが起こっているのですか?」など、クライアント自身に焦点をあてることです。
こうすることで、クライアントは自分自身の潜在意識と深く対峙することが出来るてきます。そして、自分自身の深層心理の中から自らの信念や価値観が明確になり、自らの行動を事柄に捉われることなく見出していくことが出来るようになります。
2.今この瞬間からつくる
コーチングでは決まった流があるわけではありません。毎回クライアントの生のテーマを聞くからです。当然、台本があるわけではないので、クライアントのテーマをもとにまさに今この瞬間から創り上げて行くことが求められます。
決まった台本がないということは、毎回のコーチングはすべてアドリブとなっていくという事です。もしも、コーチが今回なにを話そうなどと自分自身に意識が向かっていては、クライアントに価値のある時間を届けることは出来ません。
コーチングではクライアントのテーマが多岐にわたっても、あらかじめ方向性を決めることはせずに、一緒にダンスをするかのようにクライアントの動きに自然と併せていくことが大切です。クライアントがステップを踏めば、自らもクライアントの動きをくみ取ってまさに今この瞬間からのダンスを作っていく作業だと言えるでしょう。
だからこそ、コーチングでは終わった後がどうなっているか予想できる人はコーチを含めてだれもいません。まさにコーチとクライアントがコーチングセッションの中で2人で作り出していく作品となるのです。すばらしい作品は例外なく今この瞬間からつくられています。
3.その人すべてに焦点をあてる
コーチングではクライアントその人すべてに焦点をあてます。クライアントの人生そのものに対して、コーチが最大限の好奇心を持って接していく事こそがよりよいコーチングセッションを行う上で肝となってきます。
クライアントにありあまる好奇心を向けることで、コーチはクライアントが人生で巻き起こす物語全体に自然と興味を持っていきます。クライアントの事を知りたいというコーチの純粋な好奇心がコーチングのセッションに与える効果は計り知れません。
どんなにコーチングのスキルを使いこなせたとしても、クライアントに好奇心がもてないようなコーチではコーチの資格はないと断じていいでしょう。そのようなコーチに出会ってしまったらすぐに関係を中断して下さい。お金と時間の無駄になることが目に見えているからです。
コーチのあり方としてクライアントに好奇心を持って接し続けることは、コーチングのスキルよりもはるかに重要な事です。もし、コーチをつけるのであれば、あなたに対して好奇心を全開にしてきてくれるコーチを選んでみて下さい。きっと、焦点をあてられることの力強さとコーチングの効果が実感できることでしょう。
4.相手の可能性を絶対的に信じる
僕達プロのコーチは、「人はもともと想像力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」という信念を持ってコーチングを行っております。クライアントの可能性をクライアントに信じ続けることがコーチとしての基盤となる価値観なのです。
時にクライアントは、自らが選択した挑戦に対して尻込みすることもあるでしょう。しかし、クライアントの可能性を信じ続けているコーチであれば、クライアントを心から応援し続けることが出来ます。
クライアントがあきらめようとしても、無限の可能性を秘めたクライアントに乗り越えられない壁はないと信じて接し続けることで、クライアント自身も自分自身の可能性を真剣に信じ続けることが出来るようになって行きます。
ひとりでは壁にぶつかって身動きが取れないかもしれない時でも、自分の可能性を心の底から信じ続けてくれるコーチがいることで得られる自信は計り知れません。
5.相手に本質的な変化を引き起こさせる
クライアントに本質的な変化を引き起こさせることがコーチの目指すべき所です。コーチをつけていてもクライアントが本質的に変化することが出来なければそれはまったく意味のない事なのです。コーチはクライアントがさなぎから蝶へ変化するかの如く、本質的に変化をする後押しをしていきます。
時には寄り添い、時にはクライアントの価値観をともに見出し、時にはさまざまな視点から問題を見ていくかかわりを続けることで、クライアントは一歩一歩着実に変化を遂げていくことが出来るようになるのです。
また、コーチはクライアントの人生の目的や価値観に接し続けていくことで、クライアントが本質的に変化を遂げるために必要なことを共に見出していきます。
クライアントの潜在意識に深く接することが出来るコーチだからこそ、クライアントがまだ気づいていない本心を見に行くことが出来るのです。だからこそ、心の奥深い部分に触れるクライアントには必然的に本質的な変化が引き起こされるのです。
Ⅲ.まとめ
この章ではコーチがコーチングを行う時のあり方に関しての心構えをお伝えさせていただきました。あなたがコーチをつける時に、今回お伝えした心構えをコーチが持っているかを確認することは今後のコーチングライフを送る上でもとても大切な事だと言えるでしょう。
コーチングはスキルよりもコーチのあり方によって、得られる成果が左右されると言っても過言ではありません。いいコーチとは心構えをしっかりと持ち、ぶれずにあなたの事を支え続けていくという気持ちがあり続ける人です。そのようなコーチを探し出すためにも今回の心構えをしっかりと頭に入れてあなたにあったコーチを探し出して見て下さい。
きっと素晴らしいコーチに巡り合えるはずです。
Ⅳ.コーチングを行う時に気を付けること
この章ではコーチがコーチングを行う時にとても気を付けていることを書かせていただきます。あなたがコーチングを受ける前にこの事を知っていることには大きな意味があります。それは、あなたがクライアントとしてコーチの管理をしっかりと出来るようになるためです。
コーチの好調と不調を知ることで、あなたはコーチに対して積極的にかかわっていく事が出来るからです。コーチが不調な時はコーチに原因を内省してもらうことで、コーチ自身の気づきにつながり、コーチの意識をコーチングに全力で向けていくことが出来るようになるでしょう。
あなたが何も知らないと、コーチの状態に気が付くことが出来ません。結果として、素晴らしいコーチングを受け続けることに支障をきたしてしまいかねません。だからこそ、あなたが、コーチがコーチングを行う時に気を付けていることを知ることは、あなたのコーチングライフを豊かにすることにつながるのです。
1.自らの主張を押し付けてしまっていないか?
コーチは常にクライアントとのセッションの中で自らの主張を押し付けてしまっていないかを意識し続けています。
その理由はクライアントの中にある答えをクライアントから引き出すことがコーチングではとても重要なことだからです。コーチの主張をクライアントに伝えてしまっては、クライアントの中にある貴重な答えの芽をつぶしてしまいかねないからです。
コーチングにおいて、大切なことはクライアントの中にある答えをコーチのかかわりをきっかけとして見出していくことです。すべての答えはクライアントの中にあるということを信じ続けているコーチであれば、クライアントの中に秘めている無限の可能性にアクセスしていくことが出来るのです。
主張をしてしまうということは、コーチがクライアントの可能性を100%信じてきれていないということに繋がってしまいます。クライアントの可能性を信じ切れないコーチの関わりでは当然、クライアントの中に秘めている無限の可能性にアクセスしていくことは出来ません。
優秀なコーチは絶えず意識的に自らの関わり方を振り返り、主張を伝えないようにしています。あなたがクライアントでコーチングを受ける場合、コーチが主張をしてこないかを意識してみて下さい。優秀なコーチとそうでないコーチを判別するひとつの指標になるはずです。
2.心の声に意識がとられすぎていないか?
コーチはコーチングのセッション中、自らの心の声に意識がとられすぎていないかに焦点をあて続けています。
理由は自らの心の声に意識を取られすぎてしまうと、クライアントの話を集中して聞き続けることが出来なくなってしまうからです。頭では別の事を考えながら、目の前のクライアントの話に意識を集中し続けることが出来る人などいません。
心の声に意識がとられすぎていないかに焦点をあて続けると、客観的に自分の状態がクライアントに向いているのか?自分に向いているのか?を判断することが出来るようになってきます。
あなたがクライアントとしてコーチングを受ける場合、意識していただきたいことはコーチが自らの心の声に捉われていないか?ということです。
コーチングを受けているにも関わらず、なにかしらの違和感を感じた時や、言葉に詰まってしまう時などはコーチの意識が自分に向いている可能性があります。このような時は「私の話に集中していただけていますか?」と注意を促していくことで、コーチの意識も再度あなたに向かって集中していくことでしょう。
コーチングに違和感を感じたらまずは声に出して見て下さい。
3.相手の心情と同調しすぎていないか?
コーチングでは相手に寄り添うことが求められます。ただし、コーチが相手の心情と同調しすぎてしまうとコーチングからは離れてしまいます。コーチは相手に寄り添いつつも、相手の問題は相手の問題だと客観視していくスタンスを持ち合わせていくことが大切です。
クライアントの心情とコーチが同調しすぎてしまうと、クライアントと同じ視点でしかコーチが状況を把握することが出来なくなってしまいます。こうなってくると、クライアントとコーチは同じ穴に落ちてしまったかのように身動きが取れなくなってしまいます。
クライアントが迷い込んでいる迷路を俯瞰しながら、関わっていくことでクライアントに新たな視点を見出してもらうことがコーチングでは必要不可欠だという事です。コーチがクライアントと同調しすぎてしまう関係性は一件、クライアントからするといいことのように感じますが、それではコーチングにはならないのだという事を知っておいて下さい。
4.事柄のみを聞いていないか?
コーチは事柄のみを聞いてしまわないように絶えず意識をあてています。事柄に意識をあて続けてしまうとクライアントの状況ばかりに目が向いてしまうため、クライアントの潜在意識にアクセスすることが難しくなってきます。そうなると、クライアントの中に眠っている想像力や可能性を開いていくことが出来なくなってしまうからです。
コーチングにおいて普段はあまりアクセスをしない自らの感情やイメージを聞いてもらうことにはとても大きな意味があります。普段刺激しない右脳で考えることで、自らの潜在意識に深く繋がることが出来るようになってくるからです。潜在意識にアクセスすることでクライアントの奥深くに眠る深層心理からの答えが湧きあがってきます。
僕達現代人は小さいころから論理や思考といった左脳ばかりを発達する教育を受け、左脳を使う仕事に従事しています。一方、感情やイメージを司る右脳を使う機会がほとんどないのです。
コーチングでは主に僕達があまり使う機会のない右脳から情報を引き出します。左脳を刺激する事柄よりも右脳を刺激する感情に対して聞いていくことがクライアントにとって価値ある時間を作ることに繋がっていきます。
Ⅳ.まとめ
コーチングを受ける時にこの章でお伝えしたことを頭に入れておくと、コーチの関わり方を判断する時に役に立つでしょう。クライアントはよりよいコーチを見つけていく義務があります。素晴らしいコーチとはどのようなコーチかを知ることが出来れば、より良いコーチを見つけるための指針となるでしょう。
5.コーチングQ&A
この項目ではコーチングに対してよくあげられるQ&Aをお伝えさせて頂きたいと思います。
守秘義務はどこまで守られますか?
コーチにとって守秘義務は絶対です。コーチはあなたとの関係性や話を墓場まで持っていく義務があります。しかし、次の章に示す倫理規定にクライアントが違反した場合はその限りではありません。コーチは法律を順守する立場を明確に表し、万が一クライアントが法律を犯した場合に加担することがないように、クライアントとの契約の段階で守秘義務の範囲内をお伝しております。
コーチングを受ければ人生変わりますか?
コーチングを受けて人生が大きく変わる人もいますし、思ったように変わらないという人もいます。コーチングを受けた上で個人が何を行動するかで結果は大きく変わってきます。
コーチングってどこで行われるのですか?
スカイプや電話で行われることが一般的です。対面セッションの場合、セッションルームや喫茶店です。
コーチをつけるとどのような変化が訪れますか?
コーチをつけることで様々な変化が起こりますが代表的なものをお伝えさせていただきます。
・向上心のUP・モチベーションの維持・思い込みからの解放・視野が広がる
・響いた生き方の選択・自己受容力の向上・対人関係の修復・内なる魅力をUP
・ストレスの減少・リスクへ踏み込む勇気・自信がつく・本当の自分の発見etc
コーチにアドバイスをしてもらえるんですか?
コーチングでは関わり方としてアドバイスをすることはありません。例えコーチがアドバイスを受けたい分野の専門家だったとしてもコーチングをしている最中にアドバイスを伝えることはありません。コーチングの力強さはクライアントの中にある無限のリソースからクライアントにとって必要な情報を引き出していく過程にあります。
コーチがアドバイスをすることは、コーチングという力強い関係性を手放してしまう事につながるからです。コーチングのセッションが終了した時に求められたらアドバイスをすることはありますが、コーチングセッションの最中はコーチングに専念するためにもコーチはアドバイスを伝えるということはしていません。
Ⅴ.まとめ
コーチングに対してのQ&Aをまとめさせていただきました。もしも、コーチングに対してそのほかに疑問な点がありましたら、コメント欄にてご連絡ください。新たに項目を追加して解答させていただきます。
コーチングとは何か?カウンセリングやコンサルとの根本的な違い まとめ
いかがでしたか?コーチングに対して少しはご理解いただけたことではないでしょうか?もし、今回の記事を機にコーチングに興味を持たれた方は今からでもご自身にあったコーチをつけて見ることをお勧めします。コーチングを実際に受ける事であなたの可能性は無限大に広がっていくことを実感できるようになるはずです。
その上で、コーチングを行う側にも興味を持った場合、コーチ養成機関の門をたたいてより深くコーチングのディープな世界に沈み切っていくのも楽しいかもしれません。コーチング的かかわりを取り入れたコミュニケーションを習得できれば周囲に大きな変革をもたらすことは間違いありません。
あなたがコーチングの世界に足を踏み入れていただくことを楽しみにしております。
下記の記事ではコーチングの教育機関について具体的に書かせて頂きました。併せてご覧下さい。
上手く送れなかったみたいなので、もう一度送ります。重複してたらすみません。
自分が、コーチングを受けて良いのか、カウンセリングが必要なのか、−にいるのか0にいるのかは、どのように見極めれば良いのでしょうか?